Jimutenコラム
2018年12月21日 [コラム]
医療事務職が知っておきたい溶連菌感染予防対策
溶連菌感染症は、小児科で医療事務のお仕事をなさっている方にはおなじみの病名かもしれません。
幼稚園児や小学生など、子どもがかかることが多い感染症ですが、実際のところ大人の感染も少なくありません。
溶連菌感染症には風邪と似た症状も多く、感染しても気づかないケースも多いようですが、まれに重症化するケースもあるため注意が必要です。
溶連菌感染症の流行シーズンは、例年11月から4月頃となっています。
医療事務で多くの患者さんと接する方はこの時期、溶連菌感染予防についても気をつけておきたいところですね。
今回は、医療事務職が知っておきたい溶連菌感染症の基礎知識をご紹介します。
溶連菌感染症ってどんな病気
溶連菌は、「溶血性連鎖状球菌」の略称です。この溶連菌によって起こる感染症が「溶連菌感染症」と呼ばれています。
2歳から10歳ぐらいまでの子どもがかかることが多いことが知られていますが、大人の罹患も少なくない感染症です。
感染するとおよそ2日から5日間の潜伏期間を経て、発熱や扁桃腺の腫れ(のどの痛み)、吐き気、腹痛、発疹などの症状が現れます。
大人の場合は高熱が出ないケースも多く、頭痛や関節痛、倦怠感などといった症状が見られることも多いようです。
一度感染して治っても繰り返しかかることがあるため、ピンポン感染が起こりやすいことも知られています。
溶連菌感染予防のポイント
溶連菌感染症の感染経路は、感染者の咳やくしゃみなどを吸い込むことで感染する「飛沫感染」と、手指やタオル、食器などを通じて感染する「接触感染」があります。
溶連菌感染予防のためのワクチンは今のところ実用化されていないため、予防には手洗いや手指の消毒、うがいなどが効果的です。
溶連菌は消毒剤に対する抵抗力が比較的弱い細菌なので、市販されている多くの消毒剤が有効となっています。
医療事務職の方は、職場で溶連菌感染症の患者さんと接触したときには、手洗いや手指の消毒、うがいなどを行うことを心がけてください。
溶連菌感染症の患者さんと接した後に風邪に似た症状などが現れた場合、溶連菌感染症を疑ってみてください。
大人の溶連菌感染症は比較的症状が軽いケースも多いですが、まれに重症化することもあります。また、家族に感染する可能性もあるでしょう。
できるだけ予防を心がけることと、感染の可能性がある場合は検査を行うこと、感染した場合は処方された抗生物質をきちんと服用して除菌することが大切です。