2020年10月19日 [コラム]
医事課ってどんなところ? 具体的な仕事内容は?
大学病院や総合病院などの大規模医療施設には、「医事課」という部署があるのをご存じでしょうか?
医事課は“医療事務に関するさまざまな業務”を分野別に担っており、病院の運営に無くてはならない存在です。
本記事では「医事課」にフォーカスを当て、各分野の仕事内容についてご紹介します。
医事課とはどのようなもの?
医事課は、病院内の医療事務全般の業務を担当している課です。
医事課では以下の専門分野でチームを構成・分業し、効率的に業務をおこなえる仕組みになっています。
・外来医事業務
・入院医事業務
・保険請求業務
・医療統計業務
・診療情報管理
・医事作業補助
小さな病院では医療事務スタッフ数名で業務を分担します。しかし大きな病院になると、患者数や医療事務の業務量も膨大な数になります。1つの医療事務チームとしてバラバラに処理をおこなうよりも、業務ごとに専門チームを作って分担したほうが、効率よく処理を進められるのです。
医事課の各セクションの仕事内容は?
医事課の各セクション・チームでは、それぞれが異なる業務を担当します。さっそく、それぞれの仕事内容を見ていきましょう。
外来医事業務
外来医事業務では、おもに窓口での患者対応や会計、会計情報の入力などをおこないます。
患者さんの問い合わせや救急車搬入の連絡といった電話対応も、外来医事業務が担当します。
病院と患者さんをつなぐ窓口ということもあり、接遇スキルが求められるでしょう。
入院医事業務
入退院に関する手続きや、入院診療費の請求業務を担当するのが入院医事業務です。
患者さんが入院する際には、受付後に病棟までの案内をする場合も多いです。このセクションで働く場合、高額になりがちな入院医療費の免除申請方法や、公費医療の案内といった知識も身に着ける必要があります。
保険請求業務
保険請求業務では、患者さんの1ヶ月分の診療費をレセプト(診療報酬明細)にまとめ、健康保険組合等の関係機関へ提出するのが仕事です。ここで請求した報酬は病院の利益にも直結するものですので、正確に作成・チェックすることが求められます。
医療統計業務
医療統計業務は、保健所へ提出する病院データを収集し、まとめるのが仕事です。
提出項目には外来・入院を合算した患者数、入院ベッドの稼働率、診療収入といったものがあります。
病院の規模が大きくなるほどデータの数も膨大になるため、効率的かつ正確なデータ収集・整理スキルが必要です。
診療情報管理
レントゲンフィルムなどのカルテ(診療情報)データを管理するのが、診療情報管理です。
医師がカルテを参照しやすいよう病名でコーディングするなど、医師のサポートをおこないます。
電子カルテを採用している病院では、医療情報システムの管理にも携わる場合があります。
医事作業補助
通常医師がおこなう「診断書入力」「電子カルテへの入力」「処方箋の作成」などを代行するのが医事作業補助です。入力作業を代行することで、医師の負担減・診察の効率化に貢献します。
幅広い仕事内容がある医事課は、大きな病院に必須の存在!
大きな病院にこそ欠かせない医事課は、幅広い仕事内容があるのが魅力です。
また、キャリアアップが目指しやすいのもメリットです。医事課のある病院は教育制度が充実していることが多く、検定資格の取得や配置転換(ローテーション)などで、着実にキャリアを積むことができるでしょう。
医療事務のさまざまな仕事を担当してみたい、という方は、医事課の求人をチェックしてみてはいかがでしょうか?