2020年05月13日 [コラム]
知っておきたい「ジェネリック医薬品」の基礎知識
医薬品の種類に、「ジェネリック医薬品」というものがあります。テレビCMなどでも多く取り上げられているので、その名前を聞いたことがあるという方も多いでしょう。しかし、「比較的安い医薬品」ということ以外、ジェネリック医薬品について詳しく知らないという方も多いかもしれません。
今回は、医療事務の仕事をしたいと思っているのなら押さえておきたい、ジェリック医薬医薬品の基礎知識についてご紹介します。
ジェネリック医薬品とは
ジェネリック医薬品とは、特許が切れた新薬と同様の有効成分を配合した医薬品のこと。後発医薬品とも呼ばれ、新薬(先発医薬品)と比較して開発にかかる費用が抑えられため、販売価格を安くでき、患者の医療費の自己負担軽減につながるなどのメリットがあります。
研究開発にかかる費用を必要としないため、新薬と比べて3分の1程度の価格で販売することが可能。薬事法のもとさまざまな規制や基準に則って製造販売されるため、効果や安全性にも問題はありません。
新薬とジェネリック医薬品の違い
ジェネリック医薬品は新薬と同じ有効成分を用い、用法用量なども同じです。しかし、すべてが同じというわけではなく、両者には異なる部分もあります。
新薬とジェネリック医薬品の、同じところと違うところを見ていきましょう。
同じところ(変更不可なところ)
・配合されている有効成分の種類
・配合されている有効成分の量
・用法、用量
・効果、効能
違うところ(変更可能なところ)
・薬の形状
・薬の色
・添加剤(厚生労働省の認可を得ているものからの使用)
ジェネリック医薬品の種類
現在、多くの種類のジェネリック医薬品が販売されています。高血圧症や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病をはじめ、花粉症などのアレルギー、抗生物質、抗がん剤などの薬にも、ジェネリック医薬品が開発されています。
薬の形状も、錠剤、口腔内崩壊錠、カプセル剤、注射剤、点眼剤、貼付剤などさまざまなものが販売されており、自分に合ったものを見つけやすく、誰であっても安心して服用することが可能です。
ジェネリック医薬品は、新薬の特許が切れた後に開発されます。医師や看護師、薬剤師などの意見を集め、新薬の欠点をカバーした形で開発されることになるため、新薬と比較して飲みやすい、使いやすい薬になる可能性が高くなるのです。
少子高齢化が進む現代の日本社会では、将来的な医療費の増加が予想されています。ジェネリック医薬品を広く普及させることで、個人の医療費負担を軽減するだけではなく、国民皆保険という制度を維持するための基盤を突くことができるのです。
なお、安全性が保証されているジェネリック医薬品ではありますが、ほかの薬同様、副作用が出る可能性はゼロではありません。使用の際には、必ず医師や薬剤師の判断を仰ぐ必要がありますので、その点だけは念頭に置いておくようにしましょう。