2020年02月12日 [コラム]
レセプト業務とは? 意味や業務の基本的な流れについて
医療事務の仕事を探していると「レセプト業務」という言葉を目にしますよね。しかし「レセプト業務がどのような仕事なのか、具体的なイメージが浮かびにくい」という方も多いのではないでしょうか。
これから医療事務の仕事を始めようと考えている方のために、レセプト業務の概要や、仕事の流れなどを解説します。
“レセプト業務”とはどのようなもの?
「レセプト」とは、医療機関における「診療報酬明細書」のことを指します。
医療機関でおこなわれる保険診療では、保険証を提出することで患者さんの自己負担が最大3割となります。
残りの7割以上は市区町村や健康保険組合、共済組合などが負担する仕組みですが、医療機関がレセプトを作成し、各所へ請求して初めて収益となるのです。
このレセプトを作成して点検し、提出をおこなうのがレセプト業務です。診療報酬は医療機関の収益の大部分を占めていることから、レセプト業務は重要な仕事であるといえます。
レセプト業務の流れを知ろう
レセプト業務は以下のような流れでおこなわれます。
1.レセプトコンピューターへ診療情報を入力する
患者さんが医療機関で受けられる診療行為には、それぞれ診療報酬の点数が決められています。これらをカルテに沿ってレセプトコンピューター(レセコン)へ入力していき、患者さんの自己負担分を計算して請求するのです。
入力は会計ごとにおこないますが、ここで入力を間違えるとのちのち診療報酬を請求する際に問題が生じますので、慎重さとていねいさが問われます。
2.審査支払機関に提出するレセプトの作成、点検、確認
医療機関では、1ヵ月ごとに審査支払機関へ提出するレセプトを作成しています。
患者さん1人1人の診療内容や診療報酬を1ヵ月間集計したものを点検し、医師の診療内容や薬の処方がレセプトに記載されているものと相違ないか、確認をおこないます。
もしここで間違いがあれば、診療報酬の請求審査に通らなくなるだけではなく、医療機関の収益ダウンにもつながりかねません。そのため、正確な内容なのかを念入りにチェックしていきます。
3.医師による最終確認
医療行為や傷病名、処方薬に整合性がとれない場合は、レセプトを医師に確認してもらい、必要に応じて修正をします。再び医師に最終確認をしてもらったら、レセプト作成完了です。
4.審査支払機関へレセプトを提出する
レセプトを作成したあとは審査支払機関に提出し、承認されることで医療機関の収入となります。診療行為をおこなった月の翌月に、作成したレセプトと診療報酬請求書を提出します。
この時点で記載内容の誤りや不備が見つかったら、書類が返送される、もしくは診療報酬点数が減点されてしまうため注意が必要です。
レセプトは医療現場で欠かせないもの
自由診療がメインのクリニックを除いた多くの医療機関では、収入の大部分が診療報酬で構成されています。したがって、その請求をおこなうレセプト業務はとりわけ重要な業務だといえます。
また、医療事務未経験の方は、先に医療事務関連の資格をとるのもおすすめです。レセプト業務に必要な知識を身に付けたり、具体的な流れをつかんでおけば、実際の業務にも役立てることができますよ。
資格があれば仕事探しの際にも有利にはたらきますので、医療事務を目指している方は検討してみてはいかがでしょうか?