2019年03月07日 [コラム]
ロタウイルスってどんな感染症? 医療事務も注意すべき症状や予防法
冬に乳幼児の急性胃腸炎を引き起こすロタウイルス。感染力がきわめて強く、患者からの二次感染には注意が必要です。
感染症の患者と接する機会の多い医療事務職は、その症状や感染経路などをしっかり把握しておきましょう。ロタウイルスの特徴や予防法をご紹介します。
ロタウイルス感染症とは?
ロタウイルスに感染すると、急性胃腸炎を発症します。
生後6ヶ月から2歳の乳幼児に多くみられ、ほぼすべてのこどもが5歳までには経験する感染症です。1月から4月にかけて流行し、一度感染すると再びかかっても重症になることはほとんどありません。
成人にも感染し、通常は軽症であったり発症しなかったりしますが、高齢者や免疫力が低下している人の場合は症状が重くなる危険があります。
ロタウイルス感染症の症状
48時間前後の潜伏期間の後、発熱や嘔吐の症状が現れます。
水のような下痢や嘔吐が3日から8日間程度繰り返し起こり、米のとぎ汁のような白色の下痢便が出るのが特徴です。
ほかのウイルス性胃腸炎と比べて症状が激しく、脱水症状が重くなる場合もあります。まれに、けいれんや脳症などの合併症を引き起こすため、意識低下やけいれん発作の症状がみられたら速やかに医療機関を受診しましょう。
ロタウイルスの予防方法
ロタウイルスは感染力が強く、10個や100個ほどのウイルスが体内に入るだけで感染するといわれています。
腸管の中で増殖し、患者の吐物や糞便1グラムに含まれるウイルスはなんと100億個以上。汚物や、汚染された場所に触れて感染する接触感染を防ぐ必要があります。
手洗いを徹底する
トイレの後はもちろん、食事前には必ず手を洗いましょう。
指輪や時計は外して、せっけんで30秒以上もみ洗いします。爪の中にもウイルスが残っていることがあるので、指先も念入りに洗ってください。
手洗い後は消毒用エタノールで手指を消毒すると、さらに効果的です。
患者の汚物は適切に処理する
患者の汚物は、ウイルスの飛散を防ぐために素早く処理しなければなりません。
使い捨ての手袋やガウン、マスクを着用して、汚物に直接触れないように注意しましょう。
次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤で広範囲の壁や床を消毒し、処理後には必ず手洗いやうがいをしてください。
手が触れる場所は頻繁に消毒する
ドアノブや手すりなど、複数の人が触れる場所はウイルスが付着している可能性があります。
汚染された箇所を触った手で料理をしたり、口に直接触れたりすると容易に感染しますので、まめな消毒を心がけましょう。
大人はロタウイルスの感染を経験しているため、ほとんどの場合は症状が出ないといわれています。
しかし、汚染された指などを介して患者に感染を広めることは絶対に避けるべきです。
感染のリスクが高い医療事務職だからこそ、日頃から予防の意識を強く持つようにしましょう。