2019年01月08日 [コラム]
医療事務は病気をもらいやすいって本当? 予防するには
厚生労働省のインフルエンザQ&Aでは、インフルエンザを予防する有効な方法の一つとして、「人混みや繁華街への外出を控える」ことを推奨しています。
人が多く集まる場所には、インフルエンザに感染した人がいる確率が高くなり、飛沫感染のリスクが増すためです。
病院やクリニックというのは、人が大勢集まる場所の中でも感染症にかかっている方がいる可能性が高い場所だといえます。
医療機関が職場となる医療事務職は、インフルエンザや風邪をはじめ、各種感染症にかかるリスクが高いのではないかと心配に感じられる方もいるのではないでしょうか?
今回は、職場での感染のリスクと予防対策についてお伝えします。
医療事務は病気をもらいやすいって本当?
医療事務について調べていて、経験者の口コミなどで「患者さんから病気をもらってしまうこともある」という声を見かけたことがある方も多いかもしれません。
患者さんの病気がうつってしまって、さらに自分の家族にまで感染が広まる可能性があるかと思うと、不安になってしまいますよね。
実際のところ、感染症の患者さんが多い診療科、例えば内科や小児科、呼吸器科、耳鼻科、眼科などで医療事務の仕事をしている人の場合、飛沫感染や接触感染などのリスクは高めになります。
逆に、例えば整形外科や心療内科など、感染症で受診する患者さんが少ない診療科で働くのであれば、感染症のリスクは一般企業などで働く人と特に変わらないと言えるでしょう。
医療事務が職場で病気をもらわないための予防法は?
感染症の患者さんが少ない診療科を選んで働くのも良いですが、内科や小児科などを避けようとすると、どうしても職場の選択肢が少なくなってしまいます。
感染症の患者さんと接する職場でも、以下のような点を心がけることで感染のリスクを低下させることができるでしょう。
・免疫力を低下させない生活を心がける
インフルエンザウイルスなどに感染したとしても、すべての人が発症するわけではありません。
健康で免疫機能がしっかりと働いていれば、発症しないケースも多いのです。
栄養バランスのとれた食事や良質な睡眠、適度な運動など、規則正しく健康的な生活習慣を身につけることで、感染症の患者さんと接することが多い環境であっても病気がうつりにくい体質になるはずです。
・帰宅後はうがい、手洗いをしっかりと
病院やクリニックでは、感染症にかかっている人と直接的、または間接的に接することが多いといえます。
仕事中に自分の手指などにも菌やウイルスが付着してしまうことがありうるのです。
帰宅後はまずしっかりと手洗いや手指のアルコール消毒、うがいなどをすることを習慣として、自分や家族に病気がうつることを予防しましょう。
・主要な感染症の予防接種を受けておく
近年インフルエンザワクチンについては接種される方が増えてきていますが、そのほかの主要な感染症の抗体があるかどうか自分でもわからないという方が少なくないです。
近年では麻疹や風疹などの予防接種の重要性が改めて注目されています。小児科や内科などで働く人は特に、主要な感染症について抗体があるのかを調べ、予防接種を受けておくことをおすすめします。
医療事務は一般的な会社勤めの人と比べると病気をもらうリスクが高いという側面もあります。
しかし、実際に「病気をもらったかもしれない……」となれば、すぐに診察してもらったり薬を出してもらったりしやすいのは病院勤めならではのメリットです。
気になる症状がある場合には、すみやかに先生や看護師に伝えて診てもらうようにしましょう。