2018年10月03日 [コラム]
今後ますますニーズが高まる! 精神科での医療事務の仕事
医療事務の仕事をしようと考えたとき、診療科にも注目すると思います。
どんな診療科のクリニックなのかによって医療事務スタッフに求められることも変わってくるもの。
今回は、精神科での医療事務の仕事の特徴ややりがいなどについてお伝えします。
精神科ってどんな診療科?
精神科とは、精神疾患や精神障害、いわゆる「心の病」を対象とする診療科です。
統合失調症をはじめとする精神障害や、不眠症などの睡眠障害、アルコール依存やギャンブル依存などの依存症、発達障害などさまざまな精神的症状が診療対象となります。
精神的なストレスなどが原因であっても、身体的な症状が主である心身症については「心療内科」の診療領域になります。
ただし、小規模なクリニックなどの場合は「精神科・心療内科」として両方の診療科を併設しているケースが多いです。
精神科での医療事務が忙しいシーズンは?
精神科が忙しくなるのは、例年11月頃から2月頃にかけての時期です。
この時期は日照時間が短くなることなどから季節性のうつ病にかかる方が多く、精神科を受診なさる患者さんも増えるのです。
冬季の季節性うつ病での患者さんが少なくなる3月から新年度が始まる4月、5月頃には、新生活のストレスなどが原因でメンタル不調を生じた患者さんの来院が増えます。
新生活シーズンを過ぎた6月から8月頃の夏場は、精神科が比較的落ち着いている時期です。
9月から10月頃には、下半期の人事異動や転勤などで精神的に疲れた方の来院が増える傾向がありますが、春先ほどは多くない印象です。
精神科での医療事務の仕事
受付や会計業務、クラーク業務、レセプト業務といった医療事務の仕事内容自体は、基本的にどの診療科も大きく変わりません。
精神科での診療はほとんどが保険診療なので、医療事務の仕事としてはレセプト業務が多くなります。
取り扱う薬剤の種類や適合について覚えるべき知識が多いため、最初は少し難しく感じる方もいるかもしれません。
薬についてより専門性の高い知識を身につけたいという方にはおすすめの診療科の一つです。
精神科は予約診療が基本で、患者さんの急変なども少ないため急な残業は一般的に少ない傾向があります。
子育て中の方など、あまり残業がない診療科で医療事務の仕事をしたいという方には選択肢の一つとなるでしょう。
精神科には老若男女さまざまな患者さんが訪れます。患者さんにはちょっと変わったタイプの方や気難しい方なども見られるため、受付業務では一人一人の患者さんに合わせた柔軟な対応が求められます。
精神科での医療事務の仕事は、いろいろな人と接することを苦に感じない人や、人間や心理学に関心の高い人に向いていると言えます。
うつ病への理解が進みつつあることなどから、精神科への世間的な認識も少しずつ変化してきており、精神科を受診する人は近年、増加傾向にあります。
精神科での医療事務の仕事も、今後ますますニーズが高まっていくことが見込まれます。