2022年04月30日 [コラム]
医療事務の働き化が激変? クラウド型電子カルテとは
電子カルテには病院内でサーバー構築をする「オンプレミス型」のほかに、インターネット上でデータを保管する「クラウド型」というタイプもあります。
このクラウド型電子カルテを活用した場合、医療事務を含めたさまざまな病院内業務の効率化が実現するといわれています。
さっそく、クラウド型電子カルテの特徴やメリット、医療事務の仕事への影響などをチェックしてみましょう。
クラウド型電子カルテのメリットとは?
クラウド型電子カルテは、インターネット上で電子カルテのデータを管理するシステムです。
病院内にサーバーを構築して運用する「オンプレミス型電子カルテ」と異なり、低価格で利用できる点や、インターネット上でデータのバックアップが行われるため、トラブル時にデータ損失が起こりにくいなどのメリットがあります。
【クラウド型電子カルテのメリット】
・オンプレミス型に比べ初期費用がかからない
・カルテデータのバックアップが定期的に行われるため喪失が起こりにくい
・インターネット環境さえあれば場所を問わずアクセス可能
・Web問診システム等との連携により、業務効率化が叶う
・ネットを通じて外部機関に診療報酬計算などの作業を委託できる
特筆すべきメリットとしては、「どこからでもアクセスができる」という点でしょう。
院内はもちろんのこと、クラウド型電子カルテなら在宅医療などにも活用できます。さらにWeb問診システム等と連携させれば、問診や予約・受付などの作業を効率化させることもできます。
そのほかには、医療事務が担当する「診療報酬点数の計算」など、特定の作業を外部機関へ委託することも可能です。
クラウド型電子カルテが医療事務に与える影響は?
クラウド型電子カルテが医療事務の仕事に与える影響としては、「良い影響」「懸念すべき影響」の両方が考えられます。
業務効率化が実現する
クラウド型電子カルテを利用すると、これまで医療事務が担ってきた「診療報酬計算」の業務委託が実現します。データ転送できるようになれば、外部機関へ診療報酬計算を一括してお願いできるからです。
これにより医療事務へ求められる仕事内容が「患者さんの対応」「医師のサポート」といった限定的な業務になることが考えられます。煩雑な業務がシンプルになるため、効率化が進む可能性も高いでしょう。
求人数が減り、求人倍率が高くなる可能性もある
ただし、業務の一部を外注化できるということは「これまでのように医療事務の業務へ人員を割く必要がなくなる」ということでもあります。結果的に求人倍率が高くなり、競争が激化する可能性もゼロではないのです。
こうした事態になっても仕事を獲得するには、自身の市場価値を高める必要があります。具体的には資格を取って実力があることをアピールしたり、経験を積んで「即戦力として働ける人材」を目指したりするのがよいでしょう。
業務効率化に期待! クラウド型電子カルテの今後に注目
医療機関がクラウド型電子カルテを導入すると、業務の一部省略・外注化が実現し、医療事務スタッフの負担減につながります。その一方で、医療事務スタッフの存在意義が問われる可能性がある点にも留意すべきでしょう。
病院によっては医療事務スタッフ数の削減などを検討するところも出てくるかもしれません。
そのような状況でも、仕事を獲得するには「自分にしかできないこと」を持っておく必要があります。「自分にしかできないこと」があるというのは、仕事探しにおいて大きな強みになります。今後のことを考慮して、資格の取得やスキルアップを目指してみると良いかもしれませんね。