2022年03月31日 [コラム]
レセプト返戻とは? 返戻の理由や再請求の手順をチェック
医療事務の重要な仕事である「レセプト業務」では、時折レセプトを差し戻されるケースがあります。これを「返戻(へんれい)」といいますが、なぜ返戻されてしまうのでしょうか。
ここではレセプト返戻の理由や、再請求の手順、対策方法をご紹介します。
レセプト返戻とは? 返戻される理由
医療機関が毎月提出するレセプト(診療報酬明細書)は、審査支払機関および保険者で審査をされます。
この審査に通れば診療報酬が支払われます。しかし、レセプトの内容に不備・誤りがある場合など、確認が必要になった場合は「レセプトの差し戻し」が行われるのです。
これをレセプト返戻といいます。レセプト返戻をされてから再提出で認められるまでの間は、診療報酬が得られません。
レセプト返戻が起きる原因には以下のようなものがあります。
・事務処理の間違い(保険者番号・記号や氏名などの不備)
・同じ月に同じ人が医療機関と整骨院・接骨院を受診、請求があった(医科と柔整療法の併給はできないため)
レセプト返戻があった場合、医療機関は内容の修正・精査を行い、再提出をします。このとき内容が適切であれば診療報酬を得られます。
医療機関にとって診療報酬が得られないと、人件費などへの支払いにも影響が生じる可能性があります。診療報酬を正しく受け取るためにも、再請求は必ず行わなければいけません。
返戻レセプトを再請求するには?
返戻レセプトの再請求は、翌月以降のレセプト請求と合わせて実施します。
返戻レセプトの再請求方法は以下のとおりです。
<紙レセプトの返戻再請求方法>
1.返戻レセプトに添付された返戻ふせんの内容に従い、レセプトの修正を行う
2.返戻ふせんをつけたまま、審査支払機関へレセプトを再提出
<オンラインでの返戻再請求方法>
1.オンラインで返戻レセプトデータをダウンロードする
2.ダウンロードした返戻レセプトデータをレセコンに出力する
3.オンラインで再請求を行う
毎月オンライン請求を行っている医療機関の場合、返礼再請求は紙、オンラインのどちらでもかまいません。
その場合どちらか1つの方法のみで行い、重複が起きないよう注意しましょう。
返戻レセプトが届く期間の目安&注意点
レセプトの審査は翌月中に行われます。もし仮に2月分のレセプト請求で何らかの問題があった場合、4月初旬にはレセプトの返戻が行われると考えて良いでしょう。
この場合、4月10日までに審査支払機関へ再請求をすれば、4月中に再審査が行われます。問題が無いようならそのまま、4月中に再請求した分の診療報酬が支払われる仕組みです。
なお、返礼レセプトの再請求期限は、受診した患者さんが医療費を支払った日から起算して「2年間」と決められています。返戻レセプトを受け取ったら、可能な限り早く再請求処理を行いましょう。
レセプト返戻を防ぐ方法は?
レセプト返戻の原因で特に多いとされているのが、「保険証の不備」です。
「保険資格を喪失したあと誤って受診した」「保険者番号や記号、番号の不備」などのほか、氏名や生年月日、男女の不備などもよくある原因です。
診療報酬の請求先が明確にわからないため、レセプトが差し戻されてしまいます。
レセプト返戻を防ぐには、保険証を細かな数字まで間違いなく登録することが重要です。必要に応じてダブルチェックを行い、ミスが無いようにしましょう。