2021年11月05日 [コラム]
調剤事務管理士ってどんな資格? 取得後はどう活かせる?
調剤薬局で働く「調剤事務」の資格のひとつに、「調剤事務管理士」というものがあります。この調剤事務管理士とはどのような資格なのでしょうか? ここでは調剤事務管理士について、取得するメリットや難易度、試験の内容などを解説します。
調剤事務管理士とはどのような資格?
調剤事務管理士とは、保険調剤薬局において調剤事務の知識があることを認定する資格です。技能認定振興協会(JSMA)という団体が主催しており、毎年多くの方が受験をされています。
調剤事務は医師によって発行された処方箋の受付、会計、保険請求分のレセプト(調剤報酬明細書)の作成といった「事務業務」のほか、薬剤師のサポートをおこなうのが主な仕事です。つまり調剤事務の仕事に必要な知識や技術を証明する資格が、「調剤事務管理士」となります。
調剤事務管理士を取得するメリット
調剤事務管理士の資格を取得すると、「調剤事務としての基礎知識が備わっている」という証になります。言い換えれば、資格取得のために勉強をすることで調剤事務に必要な知識が身に着くというわけです。
「調剤薬局で働きたいけれど、知識ゼロの状態で仕事探しをするのが不安」という人は、調剤事務管理士の資格取得を目指して勉強してみるとよいでしょう。
調剤事務管理士の受験要項・出題範囲は?
調剤事務管理士は年齢・性別・学歴を問わず誰でも受験可能です。
・受験科目……実技と学科
・試験日……奇数月の第4土曜日
・試験内容……実技3問(レセプト点検1問、レセプト作成2問)、学科10問
【学科出題範囲】
・法規(医療保険制度や調剤報酬の請求についての基礎知識)
・調剤報酬請求事務(調剤報酬点数の算定、調剤報酬明細書の作成、薬剤用語の知識)
・薬の基礎知識(医薬品や薬価基準、薬の副作用など)
※合格ライン……実技(レセプト点検、作成ともに)50%以上 / 学科100点中70点以上
・受験料……6,500円(税込)
※在宅受験も可。在宅の場合は奇数月第4土曜日の翌日(日曜)に受験することとなります。
なお、調剤事務管理士の試験では資料の持ち込みが可能です。そのため合格率も60%と高く、難易度は低いといえるでしょう。
調剤事務管理士の試験勉強としては、市販のテキストおよび通信講座などで勉強する方法があります。基礎的な知識のみの出題ですので、その気になれば独学のみで合格を目指すことも十分可能です。
調剤事務管理士を取得したあとの活躍の場は?
調剤事務管理士の資格を取得したあとは、調剤薬局で調剤事務として働く方が多数いらっしゃいます。特に調剤事務の仕事において「レセプト作成」の知識の有無は重要。そのため調剤事務管理士の資格があると、「レセプト作成などの知識がある」とみなされ選考等で有利になることがあります。
また、調剤薬局で働くにあたって、「薬剤師のサポート業務」も調剤事務の大切な仕事です。その際に薬や薬剤用語の知識があれば、スムーズなサポートもできるでしょう。
基礎知識が身に着く! 調剤事務管理士の取得を目指そう
調剤事務管理士の試験では、調剤事務として必要な「基礎知識」が問われます。つまり、調剤事務管理士の取得を目指して勉強することで、調剤事務として働くスタートラインに立てる、ということです。
難易度が低く初心者でも取りやすい資格ということもあり、「すでに調剤事務として長年働いている」という人は取得しても大きな変化はないかもしれません。しかし、これから調剤事務を目指したいという方にとっては入門的な資格としておすすめです。調剤事務について学びたい方は、ぜひ取得を目指してみてはいかがでしょうか。